トラック 4 (Track 4) - 星座彼氏 (Starry☆Sky)
動物園なんてひさしぶりだなぁ。
そんなに急がなくても、
動物は逃げないぞ。
何はしゃぎちゃって。
本当可愛いな。
はーい。
今行くよ。
それじゃ、
順番に見て回ろうか。
まずは……おー、
象さんだ。
え、
今のは小さい頃の癖で……お前だって、
さん付けで呼んでだろ。
油断した。
え？
俺が可愛い？
いや、
そんなこと。
あ……ほら、
あっちにはキリンがいるぞ。
な、
知ってる？
キリンは牛と同じで、
「モウ」で鳴くんだってさ。
ただ、
滅多に鳴かないから、
飼育員の人も、
聞けたらラッキーくらいのいきおいらしい。
いや本当本当。
ん？
あ、
ごめん。
なんかみーちゃってた。
昔はキリンのこと凄く大きくて、
手の届かない存在だと思ったんだ。
それが今じゃ、
そこまで大きいと思わないなぁって。
それくらい、
俺らが大きくなったってことなんだよな。
お前と一緒に大人になれて、
こうして思い出を共有できて、
嬉しいよ。
うん、
成長と言えば、
お前、
昔はキリンが怖くて鳴いてたのにな。
あははは、
怒った顔も可愛いなぁ。
あ、
はいはい。
これ以上お姫様がご機嫌斜めになる前に、
次に行きますか。
では、
お手をどうぞ。
次は何処に行こうか？
もう、
急に引っ張るなって。
ん？
あそこの人だかり、
何だろな。
触れ合いコーナー？
あー、
うさぎと遊べるんだ。
うん、
いいよ。
寄っていこう。
なかなかうさぎに近寄れないみたいだな。
うさぎはすばしこいから、
こうやって追い込んでいて……ほら、
お前も抱っこしてみる？
大丈夫か？
ん？
抱っこできて、
嬉しい？
うさぎも、
お前の腕の中でリラックスして、
気持よさそうだ。
俺も、
お前に抱きしめられたいな。
急にどうしたのって？
いつも抱きしめる時は俺からだなっと思ってさ。
え？
恥ずかしいから？
お前は恥ずかしくても、
俺は嬉しくなるよ。
嬉しすぎて放さなくなっちゃうかもしれないな。
俺から離れないように、
ずっと抱きしめてしまうとおくかも。
顔、
真っ赤だね。
あははは、
そんな思い切り警戒しなくても、
今のは冗談だよ。
冗談だけど、
たまには、
お前に抱きしめられたいっていうのは本当。
お、
うさぎは……あぁ、
すごい勢いで走って行っちゃったな。
飼育員さんが出てきたみたいだけど。
あ、
そうか。
ご飯の時間なんだ。
ん？
お前もお腹が空いたのか？
俺たちもご飯にしよう。
やっぱり動物園のお弁当スペースは家族連れが多いな。
ん、
これ、
お手拭なぁ。
あ、
そっちの包も開けってもらていいか？
あははは、
驚いた？
今日はお前の好きなおかずばっか作ってみました。
特別だぞ。
では、
いただきます。
ん？
食べないのか？
どうしたのか言ってごらん。
え？
お弁当箱？
お前の手作り。
うわ、
嬉しすぎて、
俺……もうどうしたらいいか。
あ？
お前から俺にだきつくなんて……いきなりどうしたんだ。
さっき俺が抱きしめられたいって言ってだから。
じゃ、
お返し。
俺にも、
お前をぎゅーってさせて。
うん、
みんなに見られて恥ずかしいのはわかるんだけど……ごめん。
いまだけは放せそうにもない。
本当……幸せすぎる。
お弁当、
味わって食べさせていただきます。
うん、
見た目はバッチリだなぁ。
味も……味については、
今度俺と一緒に特訓しようか。
どっ、
なんでお弁当を取り上げようとするんだ。
だーめ。
たとえお前でも、
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