讃美歌 (Live at 渋谷公会堂, 東京, 1973) - 古井戸 词:仲井戸麗市 国道246は今日も車がいっぱい タバコをくわえながら 僕は白塗りの自転車をとばす 新しいシャツと新しい運動靴と 新しい野球帽を買って 僕は自転車をとばす キラ通りを抜けて 多摩川通り渋谷まで 真夏の怒り狂った街を通り抜けて 僕は自転車をとばす いつのまにか だんだんまわりが見えなくなって 街も車も人も ビルディングも電信柱も 犬とか猫とか花とか だんだん見えなくなって 僕は一つだけ残された道を ゆっくり進む だんだん速く僕は 新しい自転車をとばす 僕は新しい自転車をとばす そして僕に関わってひと 全てのものをとばしてしまいだ 僕に関わってくる 全てのものをとばした 僕をこの世に送り出した父や母や 小学校の時の川口先生や 僕の楽しかった頃の思い出は 幼なじみ かずおちゃんやかっちゃんや ちえこちゃんや 関口君をとばしたい もしも男と女が 全てだったならば もしも男と女のことが 全てだったらば もしも男と女のことが 全てであったなら 僕はあの娘のことで終っちまう 僕の全てはあの娘のことで 終っちゃっても構わない 渋谷は道玄坂 クリスマス模様の歩行者天国に 消えていった 君の後ろ姿を見送った 僕が流した涙は何処へいったんだ 君が東京駅まで 送りに来て 天井桟敷大阪公演 島ノ内小劇場で流した僕の涙は 何処へいったんだよ 一ケ月も何も出来なくて 家に閉じこもって ずっと我慢してた 僕の空白はどうしたんだよ 野球の選手になりたくて 野球の選手になれなかった僕は 何処へ行ったんだよ 男と女のことが全てだったら 僕はあの娘のことで 終ったって構わない 君に唄ってあげた 花言葉の唄は もう唄えないよ もうずっと昔の事じゃないか 君と別れたことは悲しいけど それより そのことが遠くにいっちゃう事が 悲しいんだよ いつも僕が情けなくてさ いつも僕が情けなくてもさ 君だって 随分意地悪だったじゃないか 男と女のことが全てだったら 僕の全てはあの娘のことで 終っちまう 僕の全てはあの娘のことで 終っちゃったって 構わないんだから 社会にとって個人なんか どうでもいいって言ってた 君の頬をぶん殴れなかった僕の涙は 何処へいったんだよ 御茶の水の坂を上がって 中央線信濃町で降りて 絵画館前でランデブー テニスコートの前で座って 白いボール綺麗ね 高級洋菓子店中二階の待合室 すももを一つポケットから これ私だと想って持っててよ 私3月か4月の初めには 国へ帰ります 気が向いた時でいいから 手紙書いてね 男と女のことが全てだったら 男と女のことが全てであったら 僕の全てはあの娘のことで 終ったって構わないさ だんだん明るくなって だんだん明るくなって 街とか人とか道路とか 木とか花とか みんな見えてきて 国道246を僕は自転車をとばす もうすぐ帰れるから もうすぐ帰るから もうすぐ帰るからね もうすぐ帰れるはずだから もうすぐ帰るよ もうすぐ帰れる もうすぐ帰るよ もうすぐ帰れる もうすぐ帰れるからね もうじきだから もうすぐ帰れるから もうすぐだから もうすぐ帰れるから ぼくが三途の川を渡るとき 大きなバケツに 綺麗な水をいっぱいくんで 空からにわか雨にして降らすんだ そしたらみんな ありがとうありがとうって そしたらみんな嬉しそうに ちぎれるくらい手を振って ありがとうありがとうって こんなところまでひきずってきた 僕のちっぽけな思い出の中には