所属专辑:新世界
歌手: 川井郁子
时长: 05:01
夕顔 ~源氏物語より~ - 川井郁子 [00:00:06]
源氏が六条に恋人を持っていたころ、[00:00:16]
御所からそこへ通う途中で、だいぶ[00:00:23]
重い病気をし尼になった大弐だいにの[00:00:29]
乳母めのとを訪たずねようとして、[00:00:37]
五条辺のその家へ来た。[00:00:44]
乗ったままで車を入れる大門がし[00:00:50]
めてあったので、従者に呼び出させた乳母[00:00:56]
の息子むすこの惟光これみつの来るまで、[00:01:01]
源氏はりっぱでないその辺の町を車[00:01:08]
からながめていた。[00:01:15]
惟光の家の隣に、[00:01:21]
新しい檜垣ひがきを外囲いにして、建物の前[00:01:27]
のほうは上げ格子こうしを四、五間ずっと上げ渡[00:01:33]
した高窓式になっていて、新しく白い簾すだれを掛け、[00:01:41]
そこからは若いきれいな感じのする額を並べて、[00:01:49]
何人かの女が外をのぞいている家があった。[00:01:55]
高い窓に顔が当たっているその人たちは非常に背の高いも[00:02:02]
ののように思われてならない。どんな身分の者の集まって[00:02:09]
いる所だろう。風変わりな家だと源氏には思われた。[00:02:14]
今日は車も簡素なのにして目だたせない用意がしてあって、[00:02:23]
前駆の者にも人払いの声を立てさせなかったから、[00:02:31]
源氏は自分のだれであるかに町の人も気はつくまいという[00:02:40]
気楽な心持ちで、その家を少し深くのぞこうとした。[00:02:48]